デザイナー見聞録

お出かけ好きなデザイナーの日記です。

運動不足&貧血気味女子 富士山に登る

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日本人なら一度は登ってみたい山、富士山。でも平日は座りっぱなしで体力無いし、貧血気味で高山病になりそうだし…となかなか踏ん切りがつかなかったのですが、ダメでも良いから登ってみようとツアーに参加してきました。

結論、登頂どころかお鉢巡りまでできました!
以下タイムスケジュールと服装などの記録です。

【8:00】出発
新宿の郵便局前からバス2台で出発。トイレは近くのローソンにありました。
宿や飲み物などのチケット、小屋での靴入れ用ビーニール袋とボールペンが入った袋を渡されます。
途中談合坂サービスエリアで休憩をはさみ、スムーズに走行。

【10:20】富士スバルライン5合目到着
「みはらし」の2Fで昼食をとりました。野菜もたっぷりなチキンプレート(980円)は肉が柔らかくて美味しい。ごはんがちゃんと富士山の形になってるのも嬉しいです。
食べたら1F奥のカウンターでレンタル装備を受け取り、地下の小さいロッカールームで着替えます。ロッカーはそれほど数はありませんが、もしなくてもvipツアーなら同料金で預かってもらえるそうです。

【11:40】集合
名前を呼ばれたらイボ付きの軍手と富士山なのに北海道の天然水500mlを受け取ります。そのあとチームごとに集まって注意事項などのレクチャーをうけ、いよいよ出発です。15名全員女性だったのでとってもゆっくり進みます。ガイドさんはこの道15年くらいの高身長イケメン。一歩が大きいので、猫に気づかれないように近づくような歩き方をしてました。男女混合だと歩くスピードを調節するのが難しいそうです。

【13:00】
一回目のトイレ休憩。お天気は曇り時々晴れで快適な気温。木が生えてないので晴れると地獄です。靴底がはがれた人がいたのでガイドさんが結束バンドで縛っていました。そのあとも15分おきくらいに休憩を入れながら砂利道を登っていきます。途中の山小屋で特製クリームパンを買った人に分けてもらったら塩味がきいていてとても美味しかったです。

【15:40】
標高2900メートルの赤い鳥居が見えてきました。特に何かを奉っている訳ではなく、かっこいいから建てたものだそう。ガイドさんは6日連続富士山を登り降りするので、1シーズン50回登頂。体重10キロ減るそうです。台湾のツアーガイドから「私も富士山ガイドになりたいよ。」と言って富士山ガイドになった人もいるとか。子どもに根性論は通じないとか、みんなが飽きないように色々教えてくれます。

【18:00】白雲荘到着
もうついたの?と思うぐらいの感じで山小屋に到着。標高は約3200m。日本で二番目に高い北岳よりも高いです。山小屋は寝返りもできないくらいギュウギュウと聞いていたのですが、全員女性のグループだったので、3人ずつの個室エリアに泊めてもらえました。防音ではないのでザワザワはしてますが、寝返りも余裕です。

ここまで長袖のシャツ一枚でしたが、じっとしていると寒いのでフリースを着用。夕飯はハンバーグカレーでした。このとき朝食用のお弁当と缶のお茶が渡されます。トイレは外で、一回200円を払えば宿泊者は何度でも使えます。ナプキンもトイレにおいてあって女性に優しいです。

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【19:30】就寝
動いていないと酸素が身体にまわらなくなるので、ちょっと頭痛がしてきました。寝て起きたら高山病になっていることもあるそうなので、定期的に酸素を吸いながら横になっていました。隣の人の寝息が大きいなと思ったら真横にいてびっくり。すぐに寝られて羨ましい…

【0:00】山頂に向けて出発
混雑でもみくちゃになるのを避けるため、早めに出ました。下は長ズボン一枚のままで、上はフリースを脱いでUNIQLOのウルトラライトダウンと防水パーカーに。ニット帽もかぶりました。ヘッドライトを頭に付けると周りの人が眩しいので、首からぶら下げます。頭痛対策にもこの方がいいそうです。

空には星がたくさんで、眼鏡を持ってこなかったのが悔やまれます。休憩中には流れ星も見られました。下の夜景もきれいで、東京の方は少し空がオレンジがかっています。本当に高い所まできたんだなとしみじみしました。
途中、元祖室のミニ金剛棒は干支の動物付きでかわいい、平成最後、頂上でスタンプが押してもらえる、というガイドさんの営業トークにのせられて購入。でもここまで登らないと買えないので買ってよかったです。十二支全部集めるために毎年来る人もいるそうです。

【3:00】山頂に到着
最後の岩場は酸欠状態でクラクラでしたが、休憩中に酸素を吸って、よろけてもステッキでふんばってなんとか登頂。寒かったのでパーカーの下にフリースを足しました。涼しいよりあったかいくらいにしておいた方が高山病になりにくいそうです。

【3:30】
向こうの空が明るくなってきました。ごつごつした岩場を登り降り。浅間大社奥宮にはポストがあって手紙を出している人がいました。一番きつかったのは、富士山最高峰の剣ヶ峰までの坂。長くはないですがあまりにも急で柵を掴まないと進めません。そこは混雑するので、記念写真を撮ったら急いで降りて、隣のピークでご来光を待ちます。

【4:50】ご来光
雲の切れ目からオレンジの日の出。晴れてくれて本当に良かったです。ご来光のあとは反対側に富士山の影が見られます。

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【5:40】吉田口山頂に到着
大満足でお鉢巡り達成。久須志神社でミニ金剛棒にスタンプ(300円)を押してもらいます。山小屋でみそ汁(600円)を頼んで室内で朝食タイム。日が出ると一気に暑くなるので、長袖シャツ一枚になります。

【6:30】下山開始
砂利道を踵から滑るように降りていきます。とにかく砂埃が激しいのでマスクは必須。粒が小さいので吸い込みすぎると炎症をおこしてしまします。みんなマスク、帽子、サングラスなので誰が誰だかわかりません。全員で一緒に降りるのは分岐のある江戸屋まで。ここで登頂証明書をもらったらおのおの下山をします。もう水が買えるのはここだけなので、残りの水が500ml以下の人は購入します。

次に目指すは7合目のトイレ。炎天下と土ぼこりと砂利にどんどん元気がなくなって、膝は痛いし暑いしとペースが落ちていきました。トイレについたらもうよろよろでした。仮にここで馬を呼ぶと3万円。気力を振り絞り、小さな影を見つけては休憩し、6合目辺りでやっと雲がかかってくれました。5合目までの最後の坂でガイドさんに再会。最後尾ってことです。

【10:30】5合目に到着
4時間の長い道のりでした。「みはらし」の階段に貼られている座席票の名前に丸をつけて長寿のスズをもらって登山完了なのですが、違う店に入っていこうとしてガイドさんに止められました。店の中までついてきてもらって、鈴も渡してくれました。キラースマイル過ぎてもう一回登ろうかと思いました。そのあと泉水という温泉で汗と土ぼこりを流して、ぬる湯でのんびりして、新宿に帰りました。

 

準備についてはこちら>

父入院し、母にプレゼント

3泊の海外旅行から帰ってくると、テーブルの上に母からの置き手紙があった。

「おかえり!昨日父さんが大腸炎で入院しました。点滴して寝ていれば治るそうです。lineしてあげてください。」

「入院」の文字にドキッとした。死ぬ病気ではなさそうだけど、心配させないように軽く書いている場合もある。なんて送ろうか。
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私: 家についた。いつまで入院してるの?

父: 2週間くらい。タイは楽しかったかい?

私: 人が優しかった。飲み過ぎ?

父: 飲み過ぎとストレス

私: タイの人はゆるーく仕事してる感じだった。ゆっくり休みな

父: (了解!のスタンプ)
___________________

2週間ならたいしたことはなさそうなので、ひとまず安心した。飛行機でほとんど眠れなかったので、スーツケースの片付けはそこそこに、そのまま昼寝した。
夕方、仕事から帰った母と病院に行くと、点滴はしているけどいつもと変わらない様子の父がいた。暇すぎてベッドでポケモンを3匹も捕まえたらしい。でも飴もお茶も禁止されているから、お土産に買ってきたお菓子のラインナップを伝えた。

もし旅行中に父が死んでしまったら、もっとこうしてやれば良かったと後悔するのだろうか。思い返すと、日ごろからよくしゃべっているし、二人で夕飯のおかずを買いに行くこともある。近所の散歩にだってついて行く。結構親孝行してるんじゃないか?と思う。父も楽しそうにしていたし。私も楽しかったことをすぐ思い出せる。お風呂場で頭を洗いながら、父には思い残すこと無しという結論に達した。

お風呂から出て両親の寝室の前を通ると、布団に座る母の背中が見えた。最近買ったばかりのスマホで二角取りをしているようだった。隣には畳まれた父の布団。部屋にぽつんと、取り残されているように見えた。

母は面倒くさがりだ。面倒だといいながら、掃除も洗濯も料理もきっちりやってくれる。物欲は無い。猫は欲しいけど、世話は面倒だと言う。

私は普段家でごろごろしている。家事といえばたまに夕飯を作るくらいだ。これからは皿洗いくらいしよう。あと何かできることは…

二人で台所に並んでいると、「まな板そろそろ変えなきゃな」と母が言い出した。私が幼稚園の時から使っている年代物らしい。これは買うしかない。

翌週の休みにさっそくショッピングセンターへ行った。それらしきところをうろうろし、やっとまな板コーナーに辿り着いた。選択肢は3つ。手入れの面倒そうな木製か、下敷き並に薄っぺらいのか、普通の白いのか。あまり悩まず普通のを購入した。プレゼントにしては味気ない感じがしたが、家に帰って「誕生日プレゼント」と言って見せると予想以上に喜んでくれた。他の種類もあったんだけどと話すと、母も薄いのは使いづらいし木製は面倒だと言っていた。こんなに普通のもので大喜びされるなんて、普段何もしていないことの現れのようだけど、母はしばらく機嫌がよかった。

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